このウェブページの「英語指導の部屋」に「中学3年間の学年別到達目標」というタブがありますので、そこをクリックしていただくと私が考えていた到達目標を見ることができます。
私は語順指導は中1の3学期から行っていました。それまではTalk and Talkを使ってセンスグループごとに語句を積み重ねていき、ある程度ストックができたところで英語の語順を意識させ、中2の1学期にたっぷりライティングさせ、そこで語順を強く意識させ、基本的な語順を定着させることを目指していました。
おっしゃるように、授業は学年を修了する時にできるようになっていて欲しいことを決め、教科書の文法配列とトピックを確認し、学期ごとの到達目標を決め、それから各授業について考えました。教科書の各ページはどの音読練習がふさわしいかについては、その段階で考えます。そして毎回、授業計画(What to doのリスト)を書き、授業が終わると実際に行ったことを記録するという流れで行っていましたので、何年の何月何日にどんな授業をしたかという記録が残っています。
授業では、前半は新しいパートの文法事項と本文についてwhat to doとhow to do itを確認し、体験します。慣れてきたらあとは家でやっておいでと指示し、後半は前日までのところで家で練習してきたことを披露させ、できたことに対して平常点を与えていました。何にどれぐらい時間をかけるという発想はなく、できるようになるまで繰り返すという感じでした。生徒には、「高校入試に備えてやらなければならないことは、どれぐらい時間をかけてもいいからできるようになるまで練習しましょう」と伝えていました。学校は何をすべきかを知るところであり、習得するのは家庭学習ですから、家庭でそれぞれが自分に必要な時間を割いてねということです。週3時間だった2004年に生徒の家庭学習時間を調査した時、1人平均週4時間半英語学習に費やしていたことが分かりました。塾は1件もない山間部の学校でしたので、純粋に授業に関連した学習のみで週4時間半だったはずです。
当時、教科書はキーセンテンスと本文を別々な日にやっていましたので、2日で1パート終わるという感じで、私は次々とページを進めました。「理解」→「暗記」→「応用・発展」のうち、「理解」でとどめればそのペースで進められます。その上で、「暗記」、「応用・発展」は家でやり、学校でその成果を披露するという流れでした。
音読も「@正しく読めるようになる」→「A大量に音読する」→「B成果を測る」という流れがありますが、学校では@とBをやり、Aは家で行わせました。ですから、授業ではなるべく@の時間を縮小し、Bを確保するよう努めました。@が長いと「家でいっぱい練習してきたのに、授業で先生がしゃべりすぎると、チェックしてもらう時間がなくなるでしょうが」と生徒によく叱られました。
英語はスポーツと同じですから、どのような練習があり、何を目的に行うかを理解させたら、各自練習させ、個別に観察してアドバイスを与えるという流れは同じです。そうなると、時間との勝負になります。何にどれぐらい時間を割くかではなく、どうやって一人ひとりを見てやる時間を確保するかばかりを考えていました。