私もまだまだ自分の英語学習は道半ばですが、教員になるとなかなかまとまった時間を取りにくくなりますので、学生時代に徹底的に英語の学習をされることはとてもいいことだと思います。
まず、聞きとることですが、聞きとりが苦手な人は、「1. 語句がわからない」「2. スピードについていけない」「3. 音の連結と崩れでつまずく」ことなどが原因として考えられます。英語圏に留学している場合、1と2は解決されていきますが、3を知らないとなかなか苦戦するものです。
以下の①〜④が音の連結で、⑤〜⑨が音の崩れです。詳しくは、『テレビで基礎英語』9月号テキストをご参照ください。
① 連結ルール(people are)
② ちっちゃな″ッ″ルール(eat dinner)
③ r母音ルール(wonder ing)
④ n母音ルール(can you, in it)
⑤ タダラルール(lettuce)
⑥ t,d消滅ルール/NTDルール(twenty, hundred)
⑦ h消滅ルール(like him)
⑧ ″トゥルドゥル″ルール(little, middle)
⑨ ″トゥンドゥン″ルール/休符ルール(written, garden)
これらのルールを知ったうえでまねをし、音読をすることで聞きとりが強くなりますので、チャレンジしてみてください。
次にスピーキングですが、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどは移民の国であり、英語が十分に話せない人はたくさんいます。したがって、それらの国では話し相手の英語の間違いをいちいち指摘することはせず、話している内容を理解しようとしますので、間違いを指摘してもらい、それを修正することでスピーキング力を高めていくというチャンスがなかなか持てません。スピーキングにしてもライティングにしても、自分の英語の間違いを知り、それをどう直すかを知ったときに伸びますので、その機会をどうつくるかがポイントとなります。
私はNHKラジオ英語講座を長年聞き続け、そこでたくさんの表現をインプットして「理解の能力」を高めました。次にそれをALTに対して使ってみて、間違いを修正してもらったり、ネイティブだったらどう言うかを尋ねたりすることで、「表現の能力」を高めました。さらに、生徒のライティングをチェックすると、果たして正しいかどうかわからない部分によく出くわしたので、辞書を引いたりALTに尋ねたりして、「言語の知識・理解」を高めました。この3つを繰り返したので、留学経験も海外生活体験もない私が、ある程度英語でコミュニケーションが取れるようになりました。
今はネイティブの方と英語で話す機会がほとんどないので、私の英語力はどんどん落ちており、イマージョンの授業を持たせていただくことでかろうじて極端な英語力低下を防いでいる次第です。やはり、使ってこそ上達するものであり、音読だけでなく、ネイティブの方々と話をしたりメールのやりとりをしたりすることはとても大切だと思います。英語はやはりスポーツですね。休むと回復するまで時間がかかります。
発音に関しては、きちんと指導してもらわないと我流の発音になってしまいます。大学でも個別に発音指導をしますが、間違って染みついた発音を矯正するのは時間がかかります。文字を忠実に目で追い、音声化するのが発音をよくする1つのコツだと思います。