まずは、おっしゃるとおり、発音が正しいかどうかは、一人でチェックすることは難しいですね。耳がよくて発音指導が上手な方が近くにいなければ、この問題は解決しません。
私は大学で発音指導をしていますが、その際、私が開発したカナ発音記号を用いています。これで発音はかなり修正できます。詳しくは、『生徒の心に火をつける』(横溝紳一郎編著、教育出版)をご参照ください。
発音をよくするために一番大切なことは、文字をしっかり読むことです。例えば、次の単語を読んでみてください。
supercalifragilisticexpialidocious
このように、長い単語は super-cali- fragi- listic- ex-piali-do-cious などと区切り、一つずつの音節をしっかり見ながら発音するはずです。その時の発音はかなり正確であるのが私の学生の特徴です。一方、学生が最も読み間違える単語は、with, the, they, idea, because など、初歩的なものばかりです。これらの語は短くてなじみがあるので、目に入った瞬間、固まりとして認識してしまい、それらを習った時に覚えた発音で読んでしまうのです。
ちなみに、「because」は au が [⊃:] なのに [ou] と発音してしまう学生が多く、英語が好きな学生の中には、「idea」は r がないのに舌を丸めて「idear」のように発音する者がたくさんいます。これなどは「なんとなく」発音している証拠であり、文字をきちんと見ながら発音すれば、自分の発音が違っていることに気がつきます。ですから、教員が発音をよくしようと思えば、フォニックスの指導をするのも一案です。
私もいつか発音クリニックをしたいと思いますので、このホームページでチェックしてみてくださいね。ちなみに、私の学生は第1回目の授業と最後の授業では、明らかに発音が変わっています。間違いを知り、直そうとすれば、ほとんどの学生は飛躍的に発音がよくなります。裏を返せば、ほとんどの学生が中高時代に発音を指導されていないということです。
では、私が大学生の発音をチェックする時に使用するプリントから、抜粋したものを貼り付けておきますので、これを使ってどなたかに発音をチェックしてもらってくださいね。
英語の発音を鍛えよう
1.最低限守るべきこと
(1) sとthを区別しよう
@ sink vs. think A sank vs. thank B thousand
C They play with their brother in the park.
(2) rとlを区別しよう
@ rice vs. lice A glass vs. grass B rusty vs. lusty
(3) sとshを区別しよう
@ sister A She sells sea shells on the sea shore.
(4) gとsを区別しよう
@ magic vs. music A easy vs. e.g.
(5) bとvを区別しよう
@ bet vs. vet A ban vs. van
(6) f / phを正しく発音しよう
@ food vs. who’d A foods vs. whose
B fare vs. where
(7) nを正しく発音しよう
@ in it A on your mark B can I / you
C when I / you D in winter
(8) ngを正しく発音しよう
@ thin vs. thing A King Kong vs. Hong Kong
(9) 子音に不要な母音をつけない(特に語尾)
@ like A drive B world C big
D I hope that Ted will come right away.
2.英語らしい発音を確認
(1) 母音
@ black bus vs. black bass A run vs. ran
B rat rut rot C bean vs. been
D food vs. hood E fast food vs. first food
F pool vs. pull G heart vs. hurt
(2) 子音
@ d / du:
dは「ヂュ」、duは「ヂュー」と読むか、もしくはそれに近い
dry, drive, drink, draw, drench,
education, graduate, schedule, procedure
A t / tu:
tは無声音の「チュ」、tuは「チュ(ー)」と読むか、もしくはそれに近い
tree, try, train, true, tropical,
student, situation, natural, actually, picture
B l:
lは舌先を上の歯の裏につけて発音するのでpeople areは「ピープラー」になる
people, beautiful, unbelievable