関心・意欲・態度の評価はとても難しいと思います。国立教育政策研究所の評価規準を見ても理解しにくい表現が並んでいますし、授業中に数回評価するなどということは、実現可能とは思えません。(国立教育政策研究所 HPより http://www.nier.go.jp/kaihatsu/houkoku/stgaikokugo.pdf)
この評価規準が発表されてからは、全国各地で研究が始まり、あいまいな表現をより具体的にしようと、コミュニケーションへの関心・意欲・態度を数値化しようする試みもなされました。しかし、それは大変困難な挑戦であり、それでも研究発表をしないといけない先生方は心身共に疲れ果て、中には病気になられた先生もいらっしゃったようです。
そもそも、授業が面白く、生徒が夢中になって考え、練習するなかで伸びていく実感を持てば、生徒の関心・意欲は向上し、態度も積極的で良好なものとなります。つまり、関心・意欲・態度は、教師側が評価されるべきものなのです。
私はこの評価観点に意義を感じていませんでしたので、例えば10回以上がA、7〜9回がB、6回以下がCなどと、インタビューテストを受けた回数で決めていました。インタビューテストでは、生徒は制限時間内に目標となる内容、文の数とも満たさなければ合格になりませんので、必死でしゃべっていました。そして、不合格の場合はまた練習して再チャレンジしてきましたので、インタビューテストの場では、「間違いを恐れず英語で積極的に話している」、「つなぎ言葉を用いるなど、不自然な沈黙をせず話し続けている」どころか、「間違いをしたらすかさず指摘されるのですぐに訂正して積極的に話し」、「つなぎ言葉で時間を取ると不合格になるので、”well, let me see” などは最小限に抑え、沈黙をせず話し続けて」いました。ですから、インタビューテストを受けた回数は、評価規準にのっとった評価基準だと思います。
次に、知識、技能、表現、思考、判断は定期テストやインタビューテストで測りました。授業では正確さを身につけるために練習をし、教科書の題材やキーセンテンスを使って思考力、判断力を鍛えるよう努めていましたので、テストも暗記だけでなく、「理解」→「習熟」→「応用・発展」の「応用・発展」の問題をかなり入れていました。
東京外国語大学の根岸雅史先生のご講演やご著書にあるように、各大問にタイトルをつけ、どの問題はどんな力を測るかを確認するようにされてはいかがでしょうか。なお、思考力、判断力は観点別評価にはありませんが、授業中に積極的に評価すべきだと思っています。そのためには、教師が主導の授業から、生徒主体の授業に変えなければなりません。生徒が考え、判断し、行動し、反省し、改善する流れがある授業であれば、思考や判断をほめてやれる機会が増えると思います。