和訳させることには賛否両論あるでしょうが、1年では文が短いので、和訳の弊害はあまりないと考えています。“Where do you live?” と “Where are you from?” の区別がついていない生徒はたくさんいますし、中2,中3も過去形と過去進行形が全く同じ訳になる生徒や、受動態と能動態を混同している生徒など、和訳を見ると、本当に理解しているかどうかがわかります。
また、現在完了の継続は、和訳の妙を楽しむパートです。以下は、私の生徒の訳です。
A: Have you been married for a long time?
「あなたたちは結婚して長いですか?」
B: Yes, we have. We have been married since 1990.
「はい。私たちは1990年以来、連れ添っています。」
インタビューテストがスムーズにいかないのは、十分な筆記練習と口頭練習が不足している可能性もあります。私は『Talk and Talk』を以下の手順で扱っていました。
@モデル・ダイアログの説明は、口頭と文字で。板書をするのは時間の無駄。それを写させても、使わなければ意味がない。モデル・ダイアログの解説はプリントにして渡し、生徒がドリルの最中に間違う度にそれを読ませる。
A授業で数問口頭練習をしたあとに、ノートを開いて書かせる。グループで口頭練習をしておけば、slow learnersも少しやり方をつかむので、そのあと書くことによってさらに理解が進む。『Talk and Talk』はスピーキングとライティングの教材だが、口頭練習だけでは定着は望めない。書かせることが大切。書かせてみると、中1は驚くほど間違う。それを指摘し、訂正させるプロセスを飛ばすと、テストで悲惨な結果となる。
B中1の5月は授業中に『Talk and Talk』をたっぷり書かせ、家庭学習へとつなげる。『Talk and Talk』は家庭学習用教材であり、生徒が「英語はどんな勉強をしていいかわからない」という言葉を言わなくなるために、授業中に使い方を体験させる。
C正しく書けるようになるまで、繰り返し書かせる。(1年1学期は書くことが大嫌い!)
D英文の下には和訳を書かせる。
Eフォニックス・カルタと並行して進めると、字を書くときの負担が減り、より効果的。(田尻式フェニックスかるたはこちらより)
F進みたい生徒は進ませる。
Gライティングからスピーキングへ。各ページでライティングに合格したら、以下の「ライティング合格認定カード」を渡す。生徒はインタビューテストを受けるとき、このカードを提示してライティングはすでに合格していることを証明する。