語学の学習には、「理解」→「習熟」→「応用・発展」という流れがあります。
<重要文>
「理解」→ その文の意味や構造を理解する。
「習熟」→ その文を暗記し、入れ替え練習をすることによって
その文型に慣れる。
「応用」→ その文型で異なる語句を使った英文を聞いたり、
読んだりしたときに理解できる。
また、その文型を使った英文を言える・書ける。
<教科書本文>
「理解」→ 本文の意味や構造を理解する。
「習熟」→ 本文を暗記する。
「応用」→ 本文中のそれぞれの文について、一部を入れ替えたり、
否定文、疑問文、命令文などにしたりできる。
「発展」→ 本文のトピックに関して、ディスカッションなどができる。
私は基本的に導入に時間を割きません。なぜならば、導入は「理解」の前段階に過ぎないからです。大切なことは、習熟の過程で理解を深め、最後は使いこなせる(応用できる)ようになることですので、語句や文を導入する場面で時間を使うより、習得させることに時間を割いています。導入は参考書やガイドブックを読ませれば、先生はやらなくても済みます。私など、『自己表現 お助けブック』(教育出版)の該当項目を音読させて終わり。すぐに習熟のドリルに入ります。予習についても同じです。詳しくは、『(英語)授業改革論』(教育出版)の第1章をご参照ください。
また、新文型の導入は、クラスルーム・イングリッシュでタイムリーに行い、教科書にキーセンテンスとして登場したときに『自己表現 お助けブック』を使って簡単に説明し、たっぷりと練習をすることで、教科書のキーセンテンスを見たときに、生徒が「あ、今まで使っていたあれか。」と言える状況を作っています。そうすると、導入に時間を割く必要はなくなります。
英語は技能を身につける教科ですので、スポーツや音楽と同じです。監督やコーチが長々と説明しても、生徒(選手・部員)はうまくなりません。授業では、導入に凝るよりも、生徒の4技能が伸びたかどうかを確認する時間を確保する方が大切だと思っています。