子どもさんに将来英語が必要かどうかはわかりませんが、英語ができて損をすることはありません。できることなら、英語が得意になってもらいたいものです。しかし、それは先生の仕事であり、親がそうしてやることは、ふつうは難しいものです。
ならば、親として何ができるかといえば、子どもとの対話の中で、「英語ができると将来職業選択の幅が広がったり、仕事で使えたりして得である」ことを知ってもらったり、教材やテレビ・ラジオ番組などを紹介して、「英語は面白い」と思ってもらうことなどだと思います。いずれにしても、押しつけると反発する年頃ですから、子どもさんが「自分の将来を考えて親が提案してくれている」と感じるような話し方が大切です。
もう1つの方法は、親が英語を勉強する姿を見せることです。台所でラジオ語学番組やCD書籍などを使って英語を勉強している親の姿を見れば、子どもは何かを感じるはずです。
意外な方法をもう1つ。参観日などを利用して学校で英語の授業を見たあと、先生と保護者で話し合い、必要であれば先生にもの申すことです。子どもさんが英語好きになるかどうか、そして英語ができるようになるかどうかは、教師の指導力がカギを握っています。その教師や学校に対して、保護者はリクエストをする権利を持っています。私も娘の中学校で授業を参観しましたが、あまりにも旧態依然とした授業に驚きました。しかし、そのあと授業に関する懇談会はなかったので、保護者の「つまらんかったね」とか、「一方的に説明するばっかりだから、何人も生徒が寝ていたね」とか、「何で寝ている子を起こそうとしないのかね」などという陰口を聞いて帰りました。それでは、授業改善は望めないと思いますし、学校の授業を通して生徒が英語好きになり、英語が得意になることはないと思います。
こういう状況を改善するためには、PTAを動かさないといけません。PTAの役員の方に相談を持ちかけ、授業参観日が単なる「授業を見学する日」ではなく、保護者も授業を体験し、感想や意見を言い、先生がそこから学んだり、保護者の誤解を解いたりする場になれば、子どもたちに還元できることがあるはずだと訴えてみてください。それをPTAが学校に提案し、学校側が受け入れてくれれば、授業改善が望めます。少なくとも、その提案を受け入れてくれる学校には、少しでも授業をよくしたいという意思があるはずですから、大いに期待できると思います。
子どもさんが通う学校の英語授業が魅力あるものでなく、学校も授業改善に強い意欲が見られない場合、その代替措置を検討してあげる必要があるかもしれません。それが塾であるのか、市販の教材や通信教材であるのか、はたまたラジオやテレビ番組であるかを子どもさんと一緒に考えることは、親ができることの1つだと思います。