Naomiさん、お久しぶりです。元気で頑張っているようですね。Naomiさんが描いてくれた「桃太郎ルール」の漫画は今でもとってありますよ。
Naomiさんが卒業した中学校は、私にとって最高の同僚、管理職、そしてすばらしい生徒と出会った学校でしたし、じっくり英語指導について研究した学校でした。今では廃校になり、校舎すら残っていないので、寂しいです。
私がその中学校に行ったときは、それまでの授業の仕方に満足できず、一からやり直しをしようと決意した時期です。具体的には、教科書を分析し、何を教えないといけないか、何をマスターさせないといけないかを考えました。でも、正直言って原書を読んだり、言語学者の論文を読んだりする暇はありませんでした。むしろ、授業で使える教材の開発にいそしんでいたので、私の理論は我流と言ってもいいでしょう。最近は、職業柄、少しは勉強していますけどね。
私は大学生の頃は音楽ばかりやっていましたので、ほとんどまじめに勉強した記憶がないのですが、Harold
E. PalmerやC.C. Fries、Norm Chomskyの書物は読まされました。私が学生の時はOral
Approachが盛んに行われていたので、その勉強はしましたし、教育実習ではpattern
practiceをたくさん取り入れました。でも、その当時Krashenは知らなかったので、影響は受けていません。
ただ、the input hypothesisやthe affective filter
hypothesisはもっともだと思いますし、経験的に気づいておられる先生も多いと思います。私も教科書以外の読み物を提示するときはi+1を意識していましたし、情意フィルターを取り除くためにペアや小グループ、そして間違うことで上達が望めることを繰り返し伝えてきました。拙著『自己表現お助けブック』は生徒が間違うことで英語が上手になってくることを実感してくれるために書いたものです。
『お助けブック』は一方、アウトプットをする中で間違いを指摘され、それを修正する際に使う本ですので、Swainのthe
output hypothesisと深いつながりがある教材ともいえます。私はSwain&Lapkinも勉強不足ですが、現場ではアウトプット活動があまりにも少ないと思いますし、内容が充実していないと思いますので、今後研究していこうと思っています。
Naomiさんも、大学で理論を学び、現場で実践を積み重ね、両者を融合させてください。私は実践しかありませんでしたので、これから理論を勉強していこうと思います。
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