田尻先生
Q.2
昨年の教育実習で母校の高校に教育実習に行きました。沢山学んで、ぶつかって、成長したいと不安ながらも楽しみにしておりました。しかし、実際に行ってみると教師間の温度差があまりにも大きく、また、未だ昔ながらの訳読授業をしている先生方が多く、これほど学校のなかの同じ教科を教えている先生方がまったく違う方向を見ていることがあるのだと、ショックを受けました。本当に一部の学校だとは思っていますが、これから学校で働くことになった時に、このような学校であったらと考えてしまいます。教育への先生観の温度差を埋めるにはどうしたらいいのでしょうか。  
 全ての教科の中で、英語がもっともたくさんの研修会が開催されていると言われますが、残念ながら身銭を切って指導法を勉強に行かれる先生は多くないのが現状です。しかし、そういう先生の熱意は必ず生徒に伝わります。生徒は、厳しくても温かいまなざしで生徒を見守る先生や、少しでも楽しくてわかりやすい授業を作ろうと努力している先生を、ちゃんと見抜いています。
(英語)教育に熱意を失った同僚の先生を見ると、腹が立ったりショックを受けたりしますが、その先生たちも決して幸せではないのです。本当に幸せな先生は、一生懸命授業作りをし、生徒の面倒を見、生徒からたくさんの感動をもらっている先生です。頑張っている先生たちがつながり、頑張る先生を増やすことこそが大切であり、幸せでない先生を責めるのは得策とは思えません。
私はまず、自分が生徒と保護者から信頼を得ることを目指しました。そして、生徒の英語力を伸ばし、英語を通して心の交流をさせていくことで、高い評価をいただくようになりました。おそらく周囲の先生方は私のことを気になさっているだろうなと思えるようになった頃、先生方に「一緒に頑張りましょう」と声をかけたり、プリントやファイル、アドバイスなどをさしあげたりすることで、仲間を増やすよう心がけました。本当はどの先生も、生徒と一緒に感動したいと思っていらっしゃいます。教師になった人は、元来教えることや生徒が好きなのです。「喜び」は、「怒り」からは生まれません。これは、全ての人に共通することだと思っています。
 
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