田尻先生
Q.3
3年後半に生徒指導的観点で注意すべきことは何でしょうか。  
 3年生の後半になると、いよいよ部活動も生徒会活動も主役の座を降り、勉強に集中するようになります。様々な体験を経て自分の進路を真剣に考え始めたとき に、生徒は脱皮の時期を迎え、さらに受験に向けて精一杯努力することで自立していくのです。ですから、この時期は自己表現活動をすると内容に深まりが出て きます。
 私は中学3年生の2学期から3学期にかけてMy Treasureというテーマでスピーチをさせますが、それまでは言えなかったことを友に伝えたいと思い、生徒は正直に自分の思いを語り始めます。学習や 部活動、生徒会活動、そして人間関係などの苦労を乗り越えた時期だからこそ、感動的なスピーチがいくつも出てきます。そしてそれがさらに生徒たちの心に火 をつけていくのです。
彼らは、「日本語では恥ずかしくて言いにくいことが、英語だったら言える」と言います。それが英語の魅力の1つです。『どの子も英語が好きになりたい 6-way Street −何を教えて、何を学ぶのか− 上巻』(バンブルビー)の中でも、その中の1つを紹介していますので、ご覧になってみてください。
 また、中3の2学期は、それまで英語学習に真剣に取り組めなかった人たちが頑張り始める時期です。私は英語が苦手な人を対象に、フォニックスと語順を中心 に、放課後の勉強会をします。そこでは、ぴりっと張りつめた雰囲気の中で、生徒と私との絆がさらに強くなるのを感じます。教師という仕事の楽しさを心から 味わえる場面であり、だんだん燃えていく生徒の姿を見ていたら涙が出そうになります。そのうち、英語が得意な子たちも入れてくれと言い始めますので、最後 は他教科の先生方も加わって、たくさんの生徒と先生方が一体になって受験に向かっていくダイナミックな構図が生まれます。そういう体験をした生徒や先生方 は、何年経ってもいい関係を続けていくのです。
 
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