田尻先生
暗記の部屋

 キーセンテンスや教科書本文の意味構造を理解したら、次に習熟の活動に入っていきます。日本の英語教育は「理解」の部分に時間を費やしすぎていて(しかも先生が説明するだけで生徒は頭を使っていない場合が多い)、習熟の時間を確保していません。習熟の活動としては、繰り返し音読、筆写、黙読、聞き取りなどがあります。

 音読に関しては、さまざまな書籍が出ていますので、ご参照ください。また、「読解の部屋」で紹介したセンスグループ訳を見ながら元の英文を復活する音読も有効です。

「私思た/『私コート!/私小鞄!』」/彼女思出。/(コ&財)在た/両方/戻/18E座席、/<詳>に/彼女座てた/時/旅客機/打鳥、/破壊ながらエンジンs/&強制(機)/不時着/ハ川。

 その他の習熟の活動としては、有名なものとしては overlapping, read and look up, shadowing などがありますが、中学生向きのものとしては以下のようなものもあります。

 (1)ジェスチャー音読
  動きのあるダイアログなどは、ジェスチャーをつけて音読をさせます。
  教師の前でジェスチャーつきで音読するためには相当音読練習が必要ですので、
  教師のところに来たときはほとんどダイアログを暗記しています。

 (2)留守録音読
  ダイアログの一方をALTに読んでもらい録音する。それを流しながら生徒が
  あたかもALTの先生と会話しているように(ジェスチャー付きで)音読をする。

 (3)BGM / BGV音読
  バーチャルな場面を作るため、音楽やビデオを流す。以前、ナイアガラの滝で
  撮ってきたビデオを流しながらペアで音読をさせたら、生徒は滝の大音響に
  負けじと大きな声で音読をしました。

 (4)Picture script音読
  本文の読解を絵を使って行い、その絵を元に本文を復活する。

 (5)合いの手音読
  教科書本文をセンスグループに分け、ペアになって一方が教科書本文を
  見ないで復活する。もう一方は意味の区切れごとに合いの手を入れる。

 〔例〕A: だれが?
    B: My father and mother
    A: どうしたの?
    B: started a flower shop
    A: いつ?
    B: twenty years ago
    A: で、君は?
    B: and I would like
    A: うん、何を望むの?
    B: to take over
    A: 何を受け継ぐの?
    B: their business.

 (6)独り言音読
  モノローグのページで、1文ずつ感想や自分のことを独り言のように言う。
  まるでテレビを見ながら独り言を言っている人のように。

 〔例〕Hello. Oh, hi.
    My name is Jack Smith. I'm Goro.
    I live in New York. I live in Osaka.
    I'm thirteen years old. You are young!
    I'm good at baseball. Baseball is fun.

 (7)あなたも落語家
  落語のように、一人二役、三役をしながら、座ったままで英語で
  会話や物語を演じる。私の大好きな桂かい枝さんは、大杉正明先生の
  NHK教育テレビ『いまから出直し英語塾』にレギュラー出演していた方で、
  学校にも来てくれますので、ぜひコンタクトを取ってみてください。
  いい方ですよ。(http://eigo-rakugo.com/top.html
  落語は奥が深く、言語力を伸ばすためにはとても有効だと思っています。
  私も落語を通して表情や声の出し方を勉強しています。

 
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