セヴァン・カリス・スズキ(Severn Cullis-Suzuki)さんは、1992年、リオデジャネイロで開催された Earth Summit で感動的なスピーチを行ったことで有名なカナダの方です。そのとき彼女は12歳。素晴らしいスピーチという言葉を通り越し、これが12歳のスピーチなのかと愕然とし、我々はこんな子を育てているのだろうかと自責の念に駆られるようなスピーチです。彼女は "The Girl Who Silenced the World for 6 Minutes" と敬意をもって呼ばれており、現在も環境活動家としてさまざまな環境問題に取り組んでおられます。たくさんの教科書で取り上げられており、ご存じの方も多いと思います。
私は、現・関西外国語大学教授の中嶋洋一先生からこのスピーチを紹介され、初めてその映像を見た時、涙が出ました。「もっと高いところを目指さないといけない。子どもには、底知れぬ才能がある。そして、英語ができることより、英語の授業を通して、自分で考え、判断し、行動し、反省し、改善する人間を育てないといけない。」と痛感されられたスピーチでした。
それ以来、3年間の総まとめの活動は、セヴァン・スズキさんのスピーチを聞いて理解し、感動し、感想が言える・書けるというものに設定しました。そのためには、英語で自己表現できることはもちろんのこと、環境問題、人権問題、南北問題などについてしっかりとした知識を持つ必要があると考え、総合的な学習などの時間を有効活用して、生徒と一緒に考えていきました。
スピーチは、Youtubeでもダウンロードできますが、画像が荒いので、DVD『6-way Street 下巻』(株式会社バンブルビー)に納められたものがおすすめです。中嶋洋一先生が直接交渉して、DVDに入れていただきました。
(株式会社バンブルビーHPより http://www.bumblebee.jp/6way_site/dvd_intro_2.html)
スピーチを見せたあとは、スクリプトをテキストにしたものを渡します。彼女のスピーチには、多少の間違いがありますので、訂正したものを渡してもよいと思います。私の生徒はうーんと唸りながら読み、「12歳でしょ。信じられない」を連発しました。その後、ひとりずつインタビューをしていきます。
私の生徒は、全校50人ほどの学校で、週3時間、塾は全くないという環境で、3年間私と一緒に英語を学びました。全国のどこの学校と比べても条件が恵まれているとは言えず、将来英語が必要な生徒はほとんどいませんでした。でも、授業の内容が楽しくて、深くて、生徒が自主的に考えるものであれば、みなさんの生徒さん、子どもさんも必ずいろんなことができるようになるはずです。夢を持って頑張りましょう!
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