スピーチは、卒業時のアンケートで、毎年堂々1位に輝いていた、一番生徒にとって思い出の深い活動です。私が行っていたスピーチ指導の手順は、以下のとおりです。
<スピーチ原稿の作り方>
1. 聞き手の心が動くような題材を取り上げ、先生に報告する。
2. 枝分かれ図を書いたりマッピングをしたりして、書く内容をまとめる。
枝分かれ図やマッピングのメモは、それぞれ10文字以内で書く。
3. 起承転結/起転(展)結を意識して、話す項目の順番を決める。
4. 『語順一覧表』を見て、それぞれの文をどの文型(1-A〜3-B)で表すかを決定する。
5. 自学帳に下書きをして提出する。英文がどうしても作れないときは、友だちや先生と
相談しながら共同作業をしていく。毎日最低2文は書こう。
6. 自学ボックスから自学帳を取り、間違ったところを確認する。
7. どこをどう間違ったか、どうすればそのミスを防げるかなどについて考え、もう一度
書き直して再提出する。手元には常に『自己表現お助けブック』を置いておこう。
8. 全ての文を正しくしたら、Category D ノートや自学帳に清書する。
<発表の仕方>
1. スピーチ原稿を見て、「これを読めば、聞いている人は意味が分かるだろう」
という語(名詞・動詞・形容詞など)をさがし、○で囲む。
〔例〕"This is a watch that my father gave me for my birthday."
という文では、watch、father、gave、birthday が聞こえれば意味が伝わる。
2. それを先生の所へ持っていき、チェックしてもらう。
3. 読み方をさらに知りたい人はMDやレコーダーなどを持っていき、
先生や ALT の先生に範読を録音してもらう。
4. ○で囲んだ語句を強くゆっくりと読み、それ以外を弱く読む練習をする。
または録音してもらった MD に合わせてシャドーイングをする。
5. 1文1文を意味をかみしめながら、100回音読する。
6. 話の流れを確認しながら、Read and Look up をする。
7. スピーチは暗唱大会ではなく、聞き手にメッセージを送るためのもの。
聞き手にわかってもらえるよう、教卓の後ろに立って聴衆に話しかける
ような読み方を練習する。
8. 「ここは難しいかも知れない」と思う箇所があったら、ジェスチャーを
使ったり簡単な語句に置き換えたり、既習表現に置き換えたりして説明する。
日本語を使うことはなるべく避ける。
〔例〕 I took part in the ekiden marathon. "Took part" means to "ran".
9. 途中で、聴衆に対して1つ質問を投げかける。決して難しい質問はせず、
簡単な質問でよいので、聴衆の反応を得ると、さらにスピーチを集中して
聞いてもらえる。
10. アイコンタクトを大切に。教室の右前→右後ろ→左後ろ→左前→真ん中→
また最初に戻って右前…というふうに、常にみんなと目を合わせながら話をする。
胸を張って堂々と話し、みんなが引き込まれるようなスピーチをしよう。
11. 暗記できたら、放課後や朝、先生を呼んで英語教室でリハーサルを行う。
スピーチに関しては、バンブルビーから出ているDVD『6-way Street 上巻』をご参照ください。菅正隆先生、北原延晃先生、久保野雅史先生、中嶋洋一先生、蒔田守先生、そして私の6人が、それぞれ Show and Tell を実施する際、どういうスピーチ指導を行ってきたかということを詳しく説明しています。(株式会社バンブルビーHPより http://www.bumblebee.jp/6way_site/dvd_intro_1.html)
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