田尻先生
日本的な事物

 日本的な事物を英語で表すという活動は、Definitions (1)〜(3)の発展編です。外国の方々に日本の事物を英語で説明するということは、2つのレベルに分かれます。1つは、日本で生活した経験がある人が聞いて、「ああ、あれか」と思ってくれるレベルの説明。もう1つは、日本のことをほとんど知らなく、説明されている事物を見たことも聞いたこともない、という人が想像できるレベルの説明です。

 例えば、こたつのレベル1の説明は、

"It's something that you use in winter. It's warm. It has four legs. It looks like a table."

などです。

レベル2の説明は、

"It's a kind of heater used in winter in Japan.
It has four legs and it looks like a table with a heater under the board.
We put futon on it to keep the inside warm.
We sit at it and put our legs in it.
We put another board on it so that we can drink tea and sometimes study."

などとなるでしょう。

中学校での到達目標はもちろんレベル1ですが、fast learnersはレベル2にチャレンジさせたいものです。なお、次の英文は生徒の作品ですが、何を表しているでしょうか。

 "It's something that you see at the top of a castle. It looks like a fish. People put it at the both sides of the roof to pray for no fire because fish is a symbol of water."

この説明文には、私も知らない情報が含まれており、eye-openingでした。ライティングやスピーキングなど、アウトプット活動は生徒のよいところがたくさん見えるのが魅力であり、英語教師という仕事のすばらしさを味わうことができます。

 日本的な事物も、Definitions(2)、(3)と同様、"Is it something that you can eat?" などと、背中に貼ってもらったアイテムカードが何であるかを英語で友だちに尋ねるという活動を行います。私が授業で使ったものは以下のとおりです。

 風鈴、のれん、灯籠、提灯、もんぺ、足袋、浴衣、鯱(しゃちほこ)、瓦、座布団、蚊取り線香、ツチノコ、天狗、河童、メンコ、竹とんぼ、パチンコ、納豆、味噌、梅干し、たくあん、塩辛、三味線、囲碁、将棋、生け花、習字(書道)、こたつ、箸置き、茶碗、湯呑み、忍者、下駄、扇子、初詣、獅子舞、お年玉、凧揚げ、豆まき、ひな祭り、花見、鯉のぼり、七夕、金魚すくい、スイカ割り、盆、月見

 
ページの先頭へ
Copyright (C)2006 Benesse Corporation All rights reserved. Supported by Benesse Corporation.