田尻先生
道案内

 道案内は、机を1つのブロックとして見立て、施設の名前を書いたカードなどを置いて、教室全体を使ったダイナミックな活動をしてもよいのですが、全員を一斉に動かすとなると難しくなります。一見盛り上がっているようですが、一人ひとりのドリル量が確保されているかどうか、あるいは正確に言っているかどうかなど、確認が必要です。

 むしろ地図を使って2人1組で対話練習をさせ、最後はALTや教師と1対1で勝負する方が真剣に取り組みます。ALTが“I'm here. How can I get to 〜?”などと尋ね、生徒が言ったとおりに赤ペンなどで経路を線で描いていきます。説明が終わった後でALTがその地図を見せて、正しく導くことができたかを確認します。

 ALTはこういう活動のためにいます。教科書を読ませたり、語句を発音させたりするだけではもったいないですし、彼らも自己効力を感じません。JTEが極力説明を減らし、4技能を駆使した活動の中で生徒ができないことを見つけ、一人ひとりに合ったアドバイスをしてこそ生徒は力を伸ばしていきます。

 なお、道案内の活動で大切なことは、聞き手に復唱させることです。それをしないと、聞き手は最初の質問(Could you tell me the way to the station? など)をしたら、あとは相槌を売っているだけで、内容を確認していない可能性があります。聞き手はメモを取ってもかまいません。相手の言葉を素早く簡略化してメモすることは、ディベートで反駁する際に必要となる、素早くメモを取る技術の基礎となります。

 
ページの先頭へ
Copyright (C)2006 Benesse Corporation All rights reserved. Supported by Benesse Corporation.