買い物は小学校の英語活動でも実施しているところが多く、ある程度馴染みがある活動ですが、英語ノートでは扱っていませんので、出身小学校によって差がある可能性があります。また、小学校では買い物の会話をノートに書いたりはしませんので、文字指導をきちんとやりながらショッピングの模擬体験をさせるとよいでしょう。
私は、夏休みなどにALTが帰国するとき、家の近くのスーパーマーケットで広告用チラシを10枚ぐらい取ってきてもらうよう頼んでおきました。海外のスーパーでは、入り口のところにチラシが置いてあるところが多く、それを授業で使うのです。生徒は果物の豊富さに驚いたり、食品の安さに驚いたりしますし、"How much is 〜?" "It's 〜." という会話を豊富に練習することができます。
また、私は海外旅行をしたときに小銭や紙幣を集めて帰りましたので、それをショッピングの授業で実際に使っています。国によって硬貨や紙幣の種類が違いますし、またオーストラリアのお札はプラスチックでできているので、生徒は珍しがります。
表現としては、中1の3学期は現在進行形を学習しますので、"How much is it?" "It's 〜." 以外に、"I'm looking for 〜." を導入します。
その際、look は「(注意して)視線を持っていく」という意味であり、直後には「何を」を表す語は来ないことを確認します。(look her in the eyeなど、他動詞として用いられることもありますが、中学校ではlook at 〜 が最もよく使われ、生徒はその at をよく抜かしてしまうのです。)
look「視線を持って行く」+around「ぐるっと」= look around「見渡す、見回す」
look「視線を持って行く」+at「(一点を表して)〜に」= look at 〜「〜に視線を持っていく、〜を見る」
look「視線を持っていく」+for 〜「〜を求めて」= look for 〜「〜をさがす」
買い物は大切な表現がたくさん出てきますが、その中で案外おろそかにされているのが数字です。世の中は数字で動いており、少なくとも5桁の数字を使いこなせないとビジネスはできません。しかし、中学校の英語では数字の指導に時間を割く先生は多くありません。中学では、999までは完璧に数字が言えるようにしておきたいものです。3桁の数字が読めれば、ほとんどの数字が簡単に読めるようになるからです。
例えば、123,456,789,012 は最初のカンマをbillion、次のカンマをmillion、一番最後のカンマをthousandと読みます。それさえ覚えれば、あとは123(one hundred twenty-three)や456(four hundred fifty-six)のように、3桁の数字を読んでいけばいいのです。
さらに、ten thousand dollarsは1万ドル≒100万円を教え、聞き取った数字(ドル)を素早く円に直す練習もします。この活動はたった数十秒で終わる活動ですので、折を見て3年間繰り返しやってあげるとよいでしょう。
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